2015年6月21日日曜日

非常時局読本(第二十一回)「億兆一心と一国一党」

大政翼賛会への批判です。

非常時局読本 海軍少将 真崎勝次著
慶文社 昭和14年3月15日発行

111ページより

二十一、億兆一心と一国一党

近頃は一国一党ばやりで「億兆心を一にして」ということを解釈してそれは一国一党という事だと詭弁を吐く人がある。これもまた国体を弁えない結果である。
 勅語の中に「国を肇むること宏遠に徳を樹つること深厚なり我が臣民克く忠に克く孝に億兆心を一にして世々厥の美を済ませるはこれ我が国体の精華にして・・・」こう仰せられているのはこれは皇運を扶翼し奉るところに帰着しなければならないのである。それでその皇運を扶翼し奉る為に、世々厥の美を済ます為の億兆一心であるならば、日本国は一国一体一国無党であるべきで党派などはないのである。一国一党ということを殊更にそれは一国一体であるかの様に誤解する所に誤ちがあるのである。皇運を扶翼する為の団体、仮にそれを党と名付けるならば、即ち皇運を扶翼するために切磋琢磨して行く党ならばそれは何党であっても構わない、党の数は問題ではない。その党が日本精神を持っているかいないかということが問題である。殊更ながらに一党は一体なりというようなことにこじつけて行くと、それは非常に危険な結論に陥って行くのである。何事も指導原理が確かでないと直に現実の問題について誤ちが起こって来るのである。



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