21世紀にとって自己愛という概念はとても大切だと思う。
自己愛とはナルシシズムであるが、「俺ってすごい」という意味ではない。
著しい自尊心の低さをカバーするために、「俺ってすごい」「私って素晴らしい」と思い込まないと生きていけない人たちである。
なぜこのように自尊心が低くなるかと言うと、親から「自分の思う通りの子どもになるんだったら、大切にするよ」という条件付きの愛のもと(自分の思う通りでなかったら大切にしないという事)、「自分の気持ちを尊重された事がない」「自分の気持ちをストレートに出したら、愛してもらえない」という状況で育てられているからである。
そのため、「親の価値観に同化して、人格が形成されている」ため、親と自分の間の境界が曖昧で、その延長線で自分と親以外の他人との境界も曖昧になってしまう。
そうすると、「自分のものは自分のもの、他人のものも自分のもの」になってしまう。
友達の家に遊びに行って、勝手にその家のお菓子を食べてしまう子は要注意である。
それから、自分本来の気持ちを持ってはいけないために、死ぬまで自尊心は低いままである。
自尊心が低いため、批判されると逆ギレする。
また自尊心が傷付くようなことがあると、その事自体がなかったかのように振る舞う。
自尊心を傷つけるような人に対しては、攻撃を仕掛けてくる。
「幸せそうにしている人が目の前にいる」というだけで自己愛の人は傷付くので、相手は何もしていないのに攻撃される。
攻撃された方は、なぜ自分が攻撃されなければいけないのかが分からない。
自己愛の人たちはまた親と同化しているが、同時に親を恨んでいる。
条件付きの愛しか与えず、自分の気持ちを尊重してくれなかった親を、心の中では憎んでいる。
だから、攻撃性も強い。
また、他人も自分の一部であるため、殺して良心の呵責も感じない。
爪を切るのと同じである。
その上攻撃性が強いので、権力を握ったら、必ずいじめるか、虐待するか、虐殺する。
自己愛の人は「親の価値観」に縛られているので、その親の価値観によって、一見違うタイプに育っていく。
自己愛な親が「素直で従順な良い子」を求めていた場合、子どもを支配するタイプの教師か権力を傘に横暴なことをする小役人になる。
自己愛な親が「美しい子」を求めていた場合、外見が美しい割に性格が悪い人になる。
自己愛な親が「才能がある子」を求めていた場合、一見才能があるように見えるが人の役に立とうとしない人になる。
自己愛な親が「反権力、金持ち大嫌い」の場合、常に戦い続ける共産主義者になる?
自己愛な親が「人を支配したい」という気持ちが強かった場合、独裁者か宗教指導者になる?
20世紀は一部の自己愛の人達によって、世界がめちゃくちゃにされた。
「人を支配したい」ヒトラー、スターリン、毛沢東、ルーズベルトによって、どれだけの人が殺されたか?
もちろん日本人の中にも自己愛の人がいた。
日本を共産主義の国、国家社会主義の国にしようとした人達である。
国家総動員体制、特攻隊を作った人達である。
もちろん国や家族を守るために戦った現場の人達は、非自己愛である。
しかし、悲しい事に情報が少ない時代では非自己愛の人達は自己愛の人達にコロッと騙されてしまう。
戦後、教育もメディアも学会も政治も自己愛系の人に占領されていた。
そのためか、自己愛の人達が日本で増殖してしまった。
いじめ、DV、虐待、モラルハラスメント、モンスター何とか、ストーカーなどは全て自己愛の人の自他の境界のなさと攻撃性の問題である。
自己愛の人が自分の低い自尊心に気付いてしまうと、拒食症、過食症、新型うつ病になってしまう。
これらの問題が増えているという事が、自己愛の人が増えているという証拠である。
自己愛の人が親になると子どもも自己愛になる可能性が高いので、また再生産される可能性が高い。
だから、増える自己愛の人達に対抗するためにも、世界の非自己愛の保守主義者が連帯していく必要がある。
韓国の保守派の人達が立ち上がったというニュースを見た。
自己愛の人が多い国にも非自己愛の人達がいるのなら、連帯していきたい。
自己愛の人達を見ていると仮面ライダーに出てくる悪の軍団「ショッカー」を思い出す。
「悪」というのは自己愛の象徴ではないかと思う。
非自己愛である本郷剛と自己愛の「ショッカー」との戦いは、これからの非自己愛vs自己愛の戦いを予言しているのではないだろうか?
ちなみにアメリカのヒーローものは自己愛のヒーローvs自己愛の悪者の戦いのように見える。
インターネットは非自己愛の人達にとって福音である。
自己愛の人達に負けない情報を仕入れ、非自己愛の人たち同士で連帯するために有用である。
自己愛の人は少数でも破壊力がある。
21世紀は非自己愛の人達が自己愛の人達に反撃をする世紀にしたいが、苦戦が予想される。
非自己愛の人達よ、明治維新の時のように連帯しよう!
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